中央大学の校地内にある神社について

 

 

 

 

 

中央大学の校地の中にある「学内神社」について、神社検定壱級ホルダーの私が地元情報も含め解説させていただきます。

お社(やしろ)というよりは、良く街角で見かける邸内社あるいは邸内神祠のような佇まいです。

 

鎮座の場所は、こちらです。

 

名称は「金住稲荷社」、こんじんいなりしゃと称しています。元々、江戸時代にこの地に在った寺院(金住院、高幡不動の末寺であり、熊野神社の別當でもある)の名称にちなんだ社号ということです。

 

学内神社のリンク先にも八王子市下柚木にある永林寺(曹洞宗)の住職が入魂されたとありますので豊川稲荷系ということが分かります。

 

元々、中央大学の校地の何割かを所有していた、地元のK家が永林寺の檀家という縁でそうなったと聞いたことがあります。

 

稲荷様は、伏見稲荷大社の伏見系と妙厳寺の豊川系があり、この稲荷様は豊川系ということになります。

 

また、伏見系の稲荷様の祭神は、宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)ですが、一方、豊川系は吒枳尼眞天(だきにしんてん)が妙厳慈の境内鎮守として祀られていたようです。

 

吒枳尼真天は、インドの古代民間信仰に由来する仏教の女神ですが、日本では稲荷信仰と習合し、稲荷神と同一視されるに至りました。妙厳寺では「吒枳尼真天」(だきにしんてん)と称しています。

 

伏見系も豊川系も、眷属(祭神のお使い)は狐です。一般的に稲荷様=キツネというのは、このあたりからのイメージだと思われます。

 

当然、仏教系の稲荷様と神道系の稲荷様ではお参りの仕方も違います。

この金住稲荷社は、吒枳尼眞天の真言を唱えて拝礼する形が正式と考えられます。

その点、神道系の稲荷様は楽ですね。ニ礼二拍手一礼で済みますから。

 

仏教系の稲荷様なのに「鳥居」があるというのも不思議ですが、神仏習合の形の現れということだと思います。

 

最後に、ご利益はどういうものがあるのでしょうか。

宇迦之御魂大神は、多くの神々の中でも代表的な食物神です。食物は、人が生きてゆくうえで大切なもので、五穀豊穣を祈り稲荷様は祀られ始めたのが、商売繁盛・家内安全・所願成就へと変化してゆきました。さらには、金運上昇・産業振興のため全国で祀られるようになったということです。

 

そうして考えると、大学に祀られているということは大学の発展・隆盛を祈願したものと考えるのが自然だろうと思えます。

 

おわり

 

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